限氏物語-風の調べ・闘争する獣-

オタクがオタクしてる様子を綴る

HF3章 解釈+舞台挨拶メモ+その他雑記

1周目感想

https://jotakepopopopo.hatenablog.com/entry/2020/08/16/203400

1周目の感想には士郎周りの話で映画では描写の足りないところの補足を書いているので原作未プレイの人にこそ読んでほしいかも。

 

今回は最初に自分以外の原作厨と考えた映画を見た上での解釈を2つ書くので皆様にも考えてほしいです。その後に2周目の感想とその上での舞台挨拶のレポを書きます。

 

 

解釈

エピローグについて

士郎が受肉したあと聖杯戦争関係者に加えて学校の知人も合わせて花見に行く描写があった。原作ではこのシーンは無く士郎桜凛ライダーの4人が並んでいる姿で終わっていた。一見、どちらのエンドを採用してもいいように思うが、桜の罪を受け入れるという発言を踏まえた時、映画の演出に違和感が生じてしまったのだ。あのメンツで集まったら間違いなくその場にいない慎二が話題に挙がるだろう。学校の旧友たちが慎二の現在のことをどのように認知しているのかは分からないが、桜には間違いなく慎二のことを聞かれる。その時、桜は慎二を殺したと馬鹿正直に言う必要はないし、有耶無耶にするだろう。しかし、そうした自らの罪を誤魔化した関係をずるずると引きずるのは受け入れたというには少し都合の良すぎる話ではないのか、そう感じた。原作の4人が並んでいるカットは桜の幸せを表現している一方で、桜の罪を受け入れている共犯者としての4人のカットと捉えることができる。だからこそエピローグで桜は幸せでいても罪を共有していない人と仲良くしている描写に違和感を覚えてしまった。

 

もう一つ。イリヤが最後アイリに抱きついたシーン。このシーンも原作にはなく本来は士郎を救ってイリヤは消えてしまう。消える前にアイリに抱きつくと解釈的にどうなってしまうのかを示す。士郎がまだ生きていたいとイリヤに本心を伝え、その願いをイリヤが叶える。お姉ちゃんだから弟のことを守らなくちゃ、と。そのあとsnにいないキャラ急に出されてイリヤが別でめっちゃ幸せ感じてたら寂しくない?イリヤに幸せ感じるなって話ではなく、あそこのシーンは姉と弟の話の集大成なんだから他の要素いらなくない?って。100歩譲って天の衣のままアイリと手を繋いで奥に向かっていくみたいな表現だったらまだ良かったかもしれない(でもいらない)けど一目散に駆け出して幼少期の姿にまでなったら士郎のこと忘れてない?(T . T)って思った。

 

3章のオリジナルシーンで解釈が色々ありそうだなって思ったのはこのあたり。友人と話して楽しかったのでこれ読んだ人の意見も聞きたいです。考えすぎオタクくんwでもいいので。

 

 

感想

2周目の感想ざっと書きます。

冒頭の間桐邸から衛宮邸に帰ってくる時の士郎とライダーの着地カッコいいなって思いました。 UBWのプロローグでも凛が同じ着地してたけど細かいところカッコいいね。

冒頭の言峰が語ってる時の影の演出良かったよ。

イリヤ要所要所でちゃんとお姉ちゃんしてて良かったよ。

めっちゃ長いと思って見たらセイバーvsライダーがあんまり長くなかった。

 

士郎の記憶の摩耗を示唆するセリフが宝石剣を投影する前のイリヤのあとどれくらい保つの?しかなくて、前回のブログでは記憶関連や投影回数の描写を増やすためにセイバーvsライダー短くしろって書いたけどもっと削れる部分を発見しました。士郎と言峰のドライブシーンです。原作では存在しません。その上、言峰の発言に穴があります。

「どうせ切り捨てるなら最初から持たなければ〜」

言峰はそんなこと言いませんね。切り捨てるのが辛いのではなく、切り捨てたら傷つくという価値観をマジョリティと認知しておきながら自分にはそれがないというのを理解しているだけなので。

ついでにもう1個穴をつつくと言峰が運転するとアインツベルン城から士郎とイリヤはどうやって帰ったのか、という話にもなるので明確な改悪ですね。いらないです。

あと、ポーカーのくだりも絶対いらんな。

 

 

レポ

適当にメモを羅列しただけなので内容は順番前後します。

Twitterでも騒がれてたhollow ataraxiaへの言及。プレイしてない人も大勢いるだろうし、映像化ワンチャンありそうなので詳しくは書きませんが桜の衛宮邸をいかに大切に思ってるのかを汲み取ってHFに反映させていることが分かりました。

・黒桜の本質は変わってないこと。劇中でも言峰が言ってましたが見た目が変わっただけで桜は桜。

・劇中の桜の支離滅裂な発言は不安定さを表現。まだ救えることを示唆。

・凛は計算で煽らないタイプ。桜が煽られてると感じたのは下屋さんの被害妄想。桜と一致してるねと話題に。

・士郎がアインツベルン城に突入するシーン。1回目のアフレコでは絶対にイリヤを連れ帰る士郎と絶対に引き返さないイリヤバチバチになっていたが、リテイクで心配はしてるけど、姉弟喧嘩のニュアンスを出して演技するように指示したことで良くなった。

・士郎がナインライブズを投影する時、ヘラクレスの人生を追体験する。十二の試練も勿論体験するが順番を十二から一へそして最初のヘラの呪いを受けた部分まで、とトレースする順番を意識して描いた。

攻撃を放つ時も士郎はヘラクレスをイメージして振るので数フレームしか表示されていないが、士郎の顔が一瞬ヘラクレスになっており憑依経験を演出。

ヘラクレスの「お前が守れ」は原作では眼で士郎にそう感じさせる表現だったが、劇中では実際に発言した。この変化に中田譲治さんだけは驚いてたけど、他の人はイケオジボイスでいいね!みたいな感じだった。

・セイバーvsライダーについて。ライダーが全力を出して短時間だけ互角に戦える力関係だが、映像だけ見ると終始ライダーが圧倒していた。しかし、実際はセイバーに攻撃を当てているがダメージになっていないライダーと、攻撃を当てられないが1発KOできるセイバーとなっており拮抗している。

途中のライダーの士郎に信頼されている発言は余裕そうに見せるためのブラフ。

また、士郎がセイバーにとどめを刺せないとあなたを初めて憎んだ、と言われるが須藤監督も最初の選択では憎まれた。

この憎むについて。憎むということは堕ちてしまった自分を士郎に止めてほしいということ。だから最初に士郎にお前は邪魔だ、と言われセイバーは少し微笑んだのではないか、というニュアンスの話を川澄さんがしていた。ここは上手くメモれなかったので自分の解釈が入ってるかもしれないです。

・士郎とイリヤの最期の掛け合いについて。

気持ちはかたまってたから士郎への気持ちはすんなりと表現できた、と門脇さん。

士郎へ問いかける時はアインツベルンとしての厳かな雰囲気を残しつつ、一度背を向けて最期の笑顔を向ける瞬間は声音を優しくし、姉として演じた。

背を向けている時のイリヤは何を考えてどんな顔をしているのかイメージしていた。

 

 

 

最後に

自分の大好きなイリヤの最期をめちゃくちゃ気持ち入れて演じていただいていたのを実際に聞けて本当に良かったです。それだけで舞台挨拶まで見た甲斐がありました。

須藤監督は細かいところを意識して作ってるというのが知れて、怒りは当然なく、ただただやるせない気持ちになりました。そこまで細かいところを考えているのになぜ、でかいところでミスった?って感じです。1つ1つの読み込みが浅いのか読み込む場所がずれていたのかは分かりませんが惜しいなぁ、と思うばかりです。須藤監督がfateを好きだというのは伝わってきたのでそれだけは救いです。

憎むべきはHFという大作を6時間の尺に収めようとした企画です。杉山さんはhaをやりたいと仰っていましたが、やるならhaはちゃんと2クールで作ってくださいと願うばかりです。

上映日の自分はブチ切れてて掌返し甚だしいですが、この1週間はHFの話をオタクとたくさんして楽しかったし、これからhaもやり直そうかな、なんて話しているのでコンテンツが動くってのは大事なんだなと思いました。これは最初から言ってましたが、プレイが面倒くさい原作を勧めずにHFを知ってもらう手段として優秀なので映像化はされて良かったと思います。これで大っぴらにHFの話ができるようになったのでハッピーですね。

最初に書いたので印象が薄くなってしまいましたが、上記の解釈やその他純粋なFate/stay nightの話をたくさんしたいのでリプとかバンバン送ってくれると嬉しいです。

平和に終わります。